スキー場のリフトの上に置き去りに――そんなバッド・シチュエーションに置かれた男女3人の、身も心も凍る恐怖を描くシチュエーション・スリラー。地上15メートル、気温マイナス20度、携帯も食料もないという最悪の状況で、寒さと飢え、そして孤独感にさいなまれる若者たちの姿を、圧倒的なリアリティで描きだしている。“仕掛け人”は『ソウ』シリーズのプロデューサー、ピーター・ブロックと新鋭アダム・グリーン監督、出演はケヴィン・ゼガーズ(『トランスアメリカ』)、ショーン・アシュモア(『X-MEN』シリーズ)ら若手注目株たち。「だれの身にも起こりえる」リアルなシチュエーションだからこそ、その痛々しさに恐怖心が煽られる。
ダン・ウォーカー(ケヴィン・ゼガーズ)、ジョー・リンチ(ショーン・アシュモア)、パーカー・オニール(エマ・ベル)の3人は、日の暮れたスキー場で最後の滑りを楽しもうとリフトに乗り込むが、山上への途中で突然停止してしまう。大声で助けを呼ぶ3人。しかし、大自然の真っただ中では誰にも悲鳴は届かず、まもなくゲレンデの照明が消え、地上15メートルの空中に置き去りにされてしまう。スキー場の営業が再開されるのは1週間後。携帯電話も食料も持っていない3人は、猛烈な吹雪にさらされ、気温マイナス20℃という暗闇の中、体力と気力を失い、寒さと凍傷の恐怖から逃れられない。まさしく絶体絶命、最悪の状況に陥ってしまった3人は、この悪夢から脱出することができるのか……。
フローズンは、ダイビングの後、360度何もない海の中で夫婦が取り残されてしまう「オープン・ウォーター」の雪山版である。出演者はほとんど取り残された3人だけ。当然、舞台もほとんどリフトの上だけ。どうやってストーリーを展開させ、約1時間半の上映時間を持たせるのか、という興味がわいてくる。結果は、期待通りともいえるし、期待外れともいえるものだった。
さすがにグリーン監督だと思ったのは、最後まで緊張感が持続し、飽きさせない点。「ハチェット」は、派手なスプラッターと笑いのバランスが優れていたが、今回は、笑わせるような場面はほとんどない。基本的に、サスペンスで押して成功している。高さも寒さも伝わってきて、なかなか手に汗握る展開だった。グリーン監督らしいスプラッター描写がふっと顔を出す所もあって、その部分には悪意のある黒いユーモアも感じた。
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